令和元年6月定例月議会での一般質問

質問内容

災害廃棄物処理計画について

かとう治
 今後想定される南海トラフ地震や生駒断層帯地震、並びに昨年の台風21号のような大きな風災や集中豪雨による堤防決壊、土砂災害などがございますが、いざ有事の際に生じる災害廃棄物処理の方法について、お伺いします。
 災害が発生したときには、いち早い災害廃棄物の処理が早期の復旧、復興につながります。我が会派の前田議員が、これまでから災害廃棄物処理計画を早急に策定するよう質問、要望を重ねてまいりました。過去の答弁では、平成30年度をめどに計画の策定を進めるとの答弁がございました。しかし、先日行われた建設環境委員協議会において、やっと計画案が提出されたところでございます。早急につくらなければならない計画案の策定が平成31年度になった理由について、お伺いします。
 また、災害廃棄物処理計画(案)にはどのような内容が盛り込まれているのか、重ねてお伺いいたします。

環境部長
 初めに、策定が平成31年度になった理由でございますが、本市におきまして災害廃棄物処理計画の策定に向けた検討を進める中で、必要となる災害発生時の災害廃棄物発生量や仮置き場の必要面積など、基礎的な最新数量の調査、推計を平成30年度に採択されました国のモデル事業に委ねておりました。しかし、国による大阪北部地震への対応や、モデル事業の入札不調などで、最新数量の確定が平成31年3月中旬となり、この数字に基づき災害廃棄物処理計画の策定作業を進める必要がありましたことから、今年度の策定となったものでございます。
 また、本計画に盛り込んでいる内容につきましては、災害発生時に災害廃棄物等について本市が実施すべき基本的事項を整理し、発災後に策定する実行計画策定のための考え方などを記載しております。
 具体的には、災害廃棄物処理に係る基本方針、処理体制やスケジュール、処理フロー、災害廃棄物の発生量の推計、仮置き場の選定や必要面積、し尿の発生量や処理などを記載しております。

かとう治
 枚方市では、実績として、1日に約380トン、年に約9万6,000トンものごみを焼却しておりますが、大規模な災害が発生すると約300万トンもの想像を絶する災害廃棄物が発生し、可燃ごみだけでも約50万トンもの廃棄物が発生するとのことでございます。とても枚方市だけで処理できるとは思えません。これについて、どのような方策を計画されているのか、お伺いいたします。

環境部長
 本市では、公的機関や民間と災害廃棄物等に係る協定を締結しており、その協定に基づき、本市で処理できない廃棄物等の運搬、処理について協力を得ることとなります。
 被災規模が大きく、これらの協力団体をしても処理できない場合には、大阪府に要請し、大阪府災害廃棄物処理計画及び近畿ブロック大規模災害廃棄物対策行動計画とも連動し、大阪府内の市町村や関西広域連合などと調整、処理を大阪府に行っていただくこととなっております。

かとう治
 先ほど質問させていただいた中で、可燃ごみが約50万トンと申し上げましたが、これは廃棄物の分別、選別がしっかりされた場合の数字でございます。
 昨年6月にありました北部大地震や9月の台風21号では、可燃ごみと不燃ごみをまぜられた、いわゆる混合廃棄物や便乗ごみ等の不法投棄なども見受けられたと聞いております。
 復旧、復興には早期の廃棄物処理が必要であり、保管場所において分別して集積し、リサイクルする必要性については、過去の質問で述べさせていただきました。
 災害発生時に混合廃棄物などが大量に搬入されてしまうと、特殊な機械によるふるい分けや選別を行わなければならず、非常に多くの人手と時間を要することになり、仮置き場に廃棄物を長期間保管しなければならなくなることから、復旧、復興の妨げとなり、おくれることにもなるとお伺いしております。
 また、分別不能で処理が困難な廃棄物になってしまうと、リサイクルに出すこともできず、最終処分場へ大量に捨てなければならなくなります。
 分別をしっかりと行うには、市民の皆さんなどに、最初に仮置き場へ搬入される時点でごみを分別して置いてもらわなければなりません。市民の皆さん等の協力を得るために、どのようなことを計画されているのか、お伺いいたします。

環境部長
 本計画では、仮置き場には職員や災害対応に習熟したボランティアなどの人員を配置し、便乗ごみ等の不法投棄や混合廃棄物などが搬入されいないよう、チェックや指導を行うことを盛り込む予定でございます。
 また、仮置き場での分別を徹底するため、仮置き場の場所や搬入に必要な分別方法などの排出の仕方を、市民の皆様などにあらゆる方法で広報、周知し、適切に分別、搬入していただくよう盛り込む予定でございます。

かとう治
 私は、この処理計画は災害発生に向け、非常に重要な計画であると思っております。しかし、災害発生時に、この処理計画だけですぐに枚方市が動けるとは思えません。また、災害発生時に策定する実行計画は、発生後1カ月から3カ月かかるとのことです。災害発生後すぐに動かなければならないことも、数多くあると思います。そのときのために、初動マニュアルのようなものを本計画策定後、早期に策定してはいかがでしょうか。
 また、災害発生後すぐに実行計画を策定できるように、マニュアルにひな形のようなものを作成し記載しておくことで、参考にできるようにしておくことも重要なことと思います。
 そして、平時より、市民の皆さんにごみの分別をしっかりとしていただき、発災時でも分別することが当たり前にできるように、御協力をいただけるよう啓発等を行っていただきたいと思います。
 災害発生時には、迅速に枚方市が対応することはもちろんですが、災害廃棄物処理についても、しっかりと計画に沿って、復旧、復興が円滑に進められるようにしていただきたいと要望しておきます。

介護予防事業に係る検証について

かとう治
 少子・高齢化に伴い、介護予防事業は、枚方市にとっても重要課題と考えております。6月現在で65歳以上の人口数ですが、11万1,939名となっておられます。超高齢社会において、幾つになっても健康に過ごすことができるような介護予防の取り組みはますます重要になっており、効果的な事業の実施が求められていると考えています。
 介護予防の取り組みが介護保険制度の中で施策化された平成18年から10年が経過した平成28年度より、市では、身近な場所で継続した介護予防の取り組みとして、ひらかた元気くらわんか体操をツールとする取り組みを推進しておられます。事業開始から3年が経過していますが、現在、本市において、ひらかた元気くらわんか体操に取り組まれているグループの数をお尋ねします。また、この事業の効果についてはどのように把握しておられるのかをお伺いいたします。

長寿社会部長
 平成30年度末時点で、ひらかた元気くらわんか体操を活動の中に取り入れておられるグループ数は192となっております。そのうち、週1回以上継続して取り組まれているのは33グループであり、これらのグループでは、半年ごとに効果測定を実施しております。
 その測定項目の一つである御自身の健康状態についてのアンケート調査によりますと、半年後には半数以上の方から改善効果があらわれているとの回答を得ております。
 また、転びやすさ、握力、柔軟性のいずれの数値においても改善が見られるなど、体操の効果は、御自身が感じられるお体の状態と数値の両面から把握しております。
 新たな取り組みを検討されているグループへの働きかけの際にも、この結果を活用するなど、引き続き、ひらかた元気くらわんか体操を初めとした、身近な場所での継続的な介護予防活動の推進につなげていきたいと考えております。

かとう治
 ひらかた元気くらわんか体操の取り組みや効果の検証については一定理解いたしました。
 市民の平均寿命や健康寿命を延ばし、差を縮めていくことが重要課題と考えますが、何分、追跡調査をしていかなくては数値化されないものと認知しております。より多くの方がこのような活動に参加されてこそ、社会全体としての予防効果が高まるものと考えております。どれほどよい活動をされていても、現実として、なかなかその場に出てこられない高齢者の方も数多くおられますし、極論を申しますと、昨今ニュースでも取り上げられているとおり、高齢者のひきこもりなど、非常に大きな問題と考えております。
 そこで、介護予防の取り組みを含む地域づくりの仕組みとして実施されておられる元気づくり・地域づくりプロジェクトについて、現在までの進捗をお伺いいたします。

長寿社会部長
 平成30年度末時点で、42の小学校区において、地域の方々が主体となり、高齢者が地域で自分らしく生き生きと活動できる環境づくりを目的とした元気づくり・地域づくりプロジェクトに取り組まれています。
 このプロジェクトでは、それぞれの小学校区で地域の方々と高齢者サポートセンターなどの関係機関が情報を共有し、ともに考えながら、集いの場づくりや介護予防教室の開催、ボランティアの養成など、高齢者自身の役割づくりにもつながる多様な活動を実践しておられます。
 本市といたしましても、地域のニーズに応じ、活用していただける事業を提案するなど、引き続き、地域の取り組みを支援してまいります。

かとう治
 少子・高齢化に伴い、人生100年時代を控えているからこそ、介護予防事業は、枚方市にとっても重要な課題と考えております。寝たきりゼロを目指して、介護予防の取り組みを推進していくためには、未然に介護予防の必要性を周知していく必要があると思っております。あわせて、誰もがみずからのことと捉え、予防を実践していくことが重要だと考えています。
 そのために行政は、さまざまな手法を用いて、医療従事者、地域包括支援センター、コミュニティ協議会など、多様なノウハウを持つ地域の方々とも強く連携をしながら、市民の方々が地域の中で生活の一部として取り組むことができる介護予防活動をますます推進していただきたいと要望させていただきます。

ごみ減量施策での古紙回収に対する取り組みについて

かとう治
 ごみを処分するためには、焼却炉で燃やす、最終処分場に埋め立てるなどの手段がございますが、ごみを燃やすことでCO2が発生するおそれや最終処分場がいっぱいになってしまうなど、ごみの処理には多くの問題があると考えます。地域においてのごみ減量施策は、資源の節約や環境汚染防止のためになり、不用品や廃棄物などの資源を再利用することは、とても重要なことと考えております。
 その中で、令和元年6月より、枚方市による古紙の分別回収が実施されているが、従来では、地域の方が再生資源の集団回収に取り組んでおられる中で、枚方市が古紙回収を始めた理由を教えてください。

環境部長
 本市では、平成6年から再生資源集団回収報償金交付制度を設けており、この制度のもとで、現在、市内の約600団体が古紙などの集団回収に取り組んでおられます。
 この集団回収に出されない古紙は、一般ごみにまぜて排出されており、一般ごみに含まれているリサイクル可能な古紙の量は、年間約8,100トンと推定しております。これを分別してリサイクルすることによりまして、古紙を資源として活用するとともに、ごみの焼却処理コストの削減を進めることができるものと考えております。
 このため、これまで地域の方々に取り組んでいただいている集団回収に加えて、集団回収に出されていない古紙を市で分別回収するものでございます。

かとう治
 枚方市で古紙回収を始めた経過は、よく理解できました。
 しかしながら、従来では、集団回収を中心に行ってきただけに、新しい取り組みの中で市民の方々には丁寧な説明が必要だと思いますが、どのような形で市民の方へ周知、認知を進めておられますでしょうか。

環境部長
 古紙の分別回収についての市民周知としましては、広報4月号で特集記事の掲載にあわせ、古紙の分別回収のチラシを全戸配布いたしました。また、市のホームページ、ツイッター、フェイスブックやエフエムひらかたなどのメディアを活用した情報発信を行ったところでございます。
 加えて、希望のありました自治会等に直接職員が出向いて説明会を実施し、市の施設におきましても説明会を実施するなど、さまざまな方法で周知に努めているところでございます。

かとう治
 実際に地域の住民の方々からの声が上がっておりますが、枚方市の古紙回収によって集団回収に出される古紙の量が減るのではと聞いております。この点については、どのように対応していかれるのでしょうか。

環境部長
 古紙回収の説明会などでは、あくまで集団回収を古紙回収の柱とし、市としましても、これまで以上に周知、啓発に努めるなど、集団回収の推進を図った上で行政回収を実施することと、ごみ減量の重要性を丁寧に説明させていただき、御理解と御協力を求めているところでございます。
 また、行政回収では、シュレッダーした紙や附箋、ティッシュペーパーの箱や菓子箱など、集団回収では余り取り組まれていない雑紙なども対象とすることで、集団回収と両立しつつ、一般ごみに含まれるリサイクル可能な紙類の減量を図ってまいりたいと考えております。
 集団回収量が減った場合の対応につきましては、今後、状況を適宜調査し、著しい影響が見られた場合には、集団回収により一層取り組んでいただける支援策を検討してまいりたいと考えております。

かとう治
 ありがとうございます。
 古紙回収に関して、長年にわたり地域に集団回収として根づいているだけに、市民の皆様の理解なしでは強引に進めていけない事業と考えております。行政として、従来の集団回収とは別にある、いまだリサイクルが可能な8,100トンと推定される古紙に着目されていることがよく理解できました。その点を踏まえて、これ以上の答弁は求めませんが、引き続き、地域に対する丁寧な説明をするとともに、もしも地域の集団回収に影響が出た場合の支援として、報償金の見直しなどを検討してもらうように要望させていただきます。

※市議会での発言内容の要旨を項目ごとに整理して記載していますので、発言の全文については 枚方市議会の会議録 をご覧ください。

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